西オーストラリア大学海洋研究所のマーク・ミーカン博士とエミリー・レスター博士によって行われた本研究。彼らはサンゴ礁におけるサメの駆除と小魚の行動、オニヒトデの大量発生に関連性があることを発見した。

彼らの研究っかによると、サンゴ礁地帯の頂点捕食者サメが駆除されると、フエダイ科やフエフキダイ科の魚の行動が変化するという。

レスター博士はphys.orgの取材に対しこのように述べている。
「周辺海域にサメがいる場合、小さな捕食者たちは海底の安全なサンゴの近くで餌を食べざるを得なくなります。その結果カニやミミズ、ヒトデなどが餌の中心となるのです。」

「しかしサメが駆除されたり漁獲されると、小さな捕食者たちは水面付近までやってきて小魚やイカなどを食べることができるようになります。」


▽サメを駆除 → オニヒトデが大量発生 → サンゴ礁が減少
つまり、サメが生息する海域ではフエダイ科やフエフキダイ科の魚が仕方なくオニヒトデなどを食べるようになるそうだ。しかしサメが居なくなればこれらの小さな捕食者はオニヒトデを食べる必要は無くなり、オニヒトデが繁殖しやすくなってしまうとのこと。　

実際にオーストラリア海洋科学研究所（AIMS）のディエゴ・バルネシュ博士がインド太平洋全域で行った研究によると、漁業圧力が無い海域のサンゴ礁ではオニヒトデの数は少なかったそうだ。

サメがサンゴ礁にとって重要な存在と明らかとなった今回の研究。今後の世界中のサメ駆除活動などに大きな影響を与えそうだ。

この研究はCommunications Biologyに掲載された。

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