尾びれが切断された『ザトウクジラ』発見される　専門家「漁具が絡まった可能性」

ザトウクジラは漁具にからまりやすい

A humpback whale that is missing its tail likely lost its iconic flukes after becoming entangled, possibly in some kind of line or fishing gear, experts say. Details: https://t.co/FJLq9oDijC pic.twitter.com/AH9nFbanhg
— KTLA (@KTLA) August 2, 2024

アメリカ、北西部のワシントン州の内海で尾びれの無い『ザトウクジラ（Megaptera novaeangliae）』が発見された。専門家によると、このザトウクジラは漁具か何かに絡まり尾びれを失った可能性が高いとのこと。

ザトウクジラと言えば、フジツボなどに覆われたごつごつした顎と、綺麗で大迫力の三角形をした大きな尾びれ。この尾びれは専門家がザトウクジラの個体識別に利用することもある。

今回、アメリカのワシントン州では尾びれのないザトウクジラが発見され話題となっている。この個体が最初に目撃されたのは7月23日。

ktla.comの記事でワシントン州サンファン島のクジラ博物館の研究主任ジェシカ・ファーラー氏は「これまでにも負傷したザトウクジラを見たことがあるが、尾びれを失った個体を見るのは初めて。くじらにとっては死刑宣告のようなものだ。」と述べている。

▽ワシントン州で発見された尾びれの無いザトウクジラ

While it’s hard to know, the humpback probably lost its tail when it was entangled, probably in fishing gear, said Justin Viezbicke, California marine mammal stranding coordinator for the National Oceanic and Atmospheric Administration.https://t.co/IJuJIhySuU
— The Seattle Times (@seattletimes) August 1, 2024

米国海洋大気庁（NOAA）水産局によると、ザトウクジラは鯨類の中でも比較的漁網やカゴなどの漁具に絡まる被害が多い生き物であるという。ほとんどのザトウクジラが一度は漁具に絡まる経験をしているが、自力で逃げることが多いとの研究結果もあるそうだ。

今回発見されたザトウクジラも漁具が絡まったことによって尾びれが切断された可能性が高いと専門家は推測している。

このような海洋生物の漁具による被害は年々増えており、カリフォルニア州ではアメリカイチョウガニ漁の漁法を変更するなどの処置をとっているそうだ。

このような被害は今後も多く報告されれば、アメリカ以外でも海洋生物に配慮した漁法が行われるようになるかもしれない。

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