世界最大の生物発光を持つ　超レアな深海イカが撮影される（動画あり）

発光器の大きさはレモンサイズ

Elusive 'octopus squid' with world's largest biological lights attacks camera in striking new video https://t.co/N5bjQWmGlz
— Live Science (@LiveScience) May 30, 2024

近年、探査技術の発展により多く行われるようになってきた深海探査研究。しかし未だにナゾは多く、人類が本格的に研究を行った深海は数％しかないと言われている。

今回、南太平洋でとても珍しい深海イカの鮮明な動画が撮影され注目を集めている。Livescienceなどが報じている。

南太平洋、サモア海峡の水深1,026メートル（3,366フィート）で西オーストラリア大学の研究者らによって奇跡的に撮影されたこの動画。映っているのは世界的にも『Taningia danae』とされる深海イカ。

研究者らは深海生物研究のため餌とカメラ、照明を付けた機材をサモア海峡に投下することでこの動画の撮影に成功。

▽Taningia danaeが襲い掛かってくる様子。巨大な2つの発光器もよくわかる。

🦑 See the amazing footage of a deep-sea squid filmed at more than a kilometre underwater! 🛥️ 🌊 🐙 #UWA @UWAresearch @deepseauwa @uwaoceans @HeatherMarGeo @Hadalbloke https://t.co/LUm6OnMK77 pic.twitter.com/V5MI3JFdbf
— UWA (@uwanews) May 16, 2024

今回の研究メンバーの一員でワシントン大学非常勤教授のヘザー・スチュワート氏は声明でこのように述べているという

「我々は映像を見直していたところ非常に珍しいものを捉えていることに気が付いた。イカの全長は約30cm。このイカはカメラを獲物だと思い込んでいたようだ。まず触手の先端にある巨大な発光器で驚かせようとし、その後触腕をカメラに巻き付けていた。これを撮影できたことはとても幸運だったと思う。」

Taningia danaeという深海イカは二本の触腕の先端にレモンほどの大きな発光器を持つことが知られている。これらは自然界の生息する生物が持つ発光器としては最大。同種はこれらの発光器で獲物を混乱させたり、異性を惹きつけるために使用されていると考えられている。

▽上記の動画と同じ。Xで見られない方はこちらのYoutube版からどうぞ

この深海イカは混獲やクジラの胃の内容物などから発見されることがあるが、このように生きた状態で撮影されることは極めて珍しいとのこと。

また、同種を含むOctopoteuthidae科のイカ類はイカでありながら腕が8本であるため“タコイカ（octopus squid）”とも呼ばれている。幼い時には10腕を持つが長い2本が成長段階で失われる。

研究者らは現在も調査船に乗船しながら約3か月に及ぶ遠征の最後の数週間を過ごしており、今後も新たな発見があるかもしれない。

ちなみに、自然界に生息するTaningia danaeを世界で初めて撮影したのは、国立科学博物館に所属する窪寺恒己博士率いる研究チーム（2005年）。

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