サメの肝油、バイオ燃料になる　英大学研究

可能ではあるが、実用的ではない

If a market develops for another use of shark livers, it could contribute to collapsing shark populations.https://t.co/NdWEXssjxv
— Hakai Magazine (@hakaimagazine) February 1, 2020

海外メディアによると、『サメの肝油』を石油のような枯渇性資源を代替しうるバイオ燃料として利用できる可能性が高いことが最新の研究で明らかとなったという。

しかし、これには野生のサメの個体数が減少してしまう危険性もあるため実用的ではないとのことだ。

イギリス、ニューカッスル大学の研究者チームによって行われた今回の研究。彼らによると、サメの肝臓は安価なバイオ燃料として利用することができるとのことだ。

サメの肝臓は最大で自重の約30%を占めるほど非常に大きいことで知られており、現在でも化粧品、医薬品、代替薬、サメ肝油錠剤などに使用されている。

Sharks in the Gas Tank | Hakai Magazine https://t.co/LoG3Shk4qB pic.twitter.com/U9wRx9nFOU
— Andrew Thaler (@DrAndrewThaler) January 27, 2020

研究者らは、商業漁業において混獲され破棄されるはずの価値の低いサメの肝臓をバイオ燃料として再利用することで、安価な燃料に生まれ変わる可能性があると説明している。

また、サメの肝油は油の抽出方法が比較的簡単であるため、安価な燃料を採取するうえでも非常に良く、採取された油は触媒、アルコールと混合することで簡単に商業用バイオ燃料を作ることができるとのことだ。

しかし、同時に研究者らはこの肝油利用方法が潜在的に大きな問題を抱えているということも説明している。

このサメの肝油をバイオ燃料に利用するというアイディアは、混獲によって廃棄されるはずのサメを再利用することを念頭に考えられている。

これがもし、バイオ燃料を目的として商業的にサメの捕獲が行われた場合野生下のサメの個体数が激減し、多くの種を絶滅の危機に晒させてしまう危険性があるとのことだ。

本研究論文の共著者Adam Harveyはhakaimagazine.comの記事内でこのように述べる。
「燃料目的でサメを殺すことを推奨しません。既に死んでしまったサメから多くの価値を得ることが最善です。」

世界的にもサメの仲間の多くは野生化における個体数が減少傾向にあるとされており、それはアジア圏でのフカヒレ需要による商業漁業が原因とされている。

研究者らは、サメの肝油をバイオ燃料として使用することは実際に可能であるものの、経済的な観点からもしこの産業が発展した場合、野生化におけるサメの個体数は激減し、業界は短命に終わる可能性が高いと自ら分析している。

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